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変わらないために、変わり続ける〜創業90年。今感じていること

  • 執筆者の写真: 山根製菓
    山根製菓
  • 2 時間前
  • 読了時間: 4分

創業90年というと、「昔ながら」や「伝統」という言葉で見られることが多いです。

もちろん、それは間違いではありません。


ただ、自分自身は、90年続いた理由は“変わらなかったから”ではないと思っています。

むしろ、小さな変化を繰り返しながら、その時代ごとの空気に合わせてきた結果、今があるのではないかと感じています。


正直に言えば、創業者である祖父の時代のことを詳しく知っているわけではありません。

ただ、祖父の時代は、まだ物自体が不足している時代だったと思います。


そこから高度成長期があり、バブルがあり、日本全体が右肩上がりに成長していった。

2代目の時代になると、一転してデフレの時代に入っていきました。


物が溢れ、安さが求められ、価格競争が当たり前になった時代です。


その中で、多くの会社はスケールを求めました。

大量生産、大量販売、価格競争。

規模を大きくしなければ利益が残りにくい、そういう空気が確かにあったと思います。


ただ、振り返ってみると、弊社は昔から極端な安売りや、大きな勝負をしてこなかった会社だったように思います。


もちろん、大きく展開する力がなかったとも言えるかもしれません。

でも結果的には、その「無理をしなかったこと」が、今につながっている部分もあるように感じています。


そして今、日本は再び大きく変わろうとしています。


長く続いたデフレ環境から、少しずつ“インフレ局面へ移行しようとしている”ような空気を感じます。

ただ、現状はまだ本格的な需要型インフレというよりも、エネルギーや食料品を中心としたコストプッシュによる物価上昇の側面が強い。


原材料、包材、物流、光熱費。

特に製造業に関わるコストは、以前とは明らかに空気が変わってきています。


そうなると、デフレ時代に強かった「大きさ」が、逆に経営の重さになる場面も増えてきます。


固定費が大きい。

設備維持が重い。

大量生産しないと回らない。


つまり、スケールすること自体がリスクになる局面も出始めているように感じています。


だからこそ今は、「小さくても強い」ことの価値が、以前より大きくなっている。


小回りが利く。

変化が早い。

修正ができる。

必要ならすぐ方向転換できる。


こうした柔軟さが、中小企業にとって大きな武器になっていく気がしています。


もちろん、小さいままで良いという話ではありません。


ただ、昔のように「とにかく国内で規模を大きくする」という考え方とは、少し時代が変わってきているように感じています。


日本は今、人口動態そのものが変化しています。

かつてのような人口増加型ではなく、少子高齢化による“逆ピラミッド”の構造へと移ってきた。


つまり、国内市場だけを前提に大きくなっていくこと自体が、以前より難しい時代になっている。


一方で、今はインターネットや物流、SNS、AIの発達によって、小さな会社でも世界に向けて発信できる時代になりました。


そう考えると、スケールの考え方そのものが変わってきているように思います。


以前は、日本国内の中で店舗数を増やし、生産量を増やし、規模を拡大していくことが“スケール”でした。


でも今は違う。


たとえ小さな会社でも、グローバルで物事を捉えれば、市場そのものは以前の日本国内とは比べものにならないほど大きい。


つまり、巨大な固定費を抱えながら国内で大量生産をすることだけが成長ではなく、

小さくても独自性を持ち、自分たちの価値を世界へ届けていく。


そういう形でも、十分にスケールできる時代になったのではないかと思います。


だからこそ今は、

「どれだけ大きいか」よりも、

「どれだけ独自性があるか」の方が重要になってきている。


私たちのような小さな会社にも、まだ十分に可能性があると感じています。


創業90年。


長く続けてきた会社ではありますが、時代が変われば、戦い方も変わる。


だからこそ、変わらないために、変わり続ける。


これからも、自分たちなりの形で挑戦を続けていきたいと思っています。

 
 
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